ここがヤバイぜブラックIT!~その危険性と入社前対策~

エンジニアのキャリアは閉ざされ、経歴の傷を新たな傷で埋め続ける人生を送っていますが、それでも以前より幸せに生きていると実感しているライラプスです。

ブラックITと聞くと、所謂新3Kと呼ばれる「きつい」「給料安い」「帰れない」といったものを連想しがちですが、実際のブラックITはそのさらに上をゆく恐ろしいことになっています。

今回は、エンジニアとして真っ当な人生を歩むために、ブラックITに入社してしまった際の危険性と入社前にできる対策を考えていこうと思います。

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エンジニアとして採用されたはずが…

多くのエンジニア志望の学生は、その夢のために情報処理や電子工学などを勉強し、苦しい就職活動を乗り越え、ようやくエンジニアとしての内定を掴み取ります。

そして4月。エンジニアとして働くために、期待と不安を胸に出社することになるでしょう。しかし、そこに至るまでの道を誤った場合、待ち受けるものは悲惨な現実です…

社内では仕事がないことが多い

所謂、独立系と呼ばれるSIer系のIT企業では、多くの場合自社コンテンツを持つことではなく、社会一般の企業におけるシステムの開発を専門に請け負うことで商売をしています。

システム開発を請け負うのだから社内でやるのだろうと考えてしまいがちですが、その実態としては多くの場合、エンジニアを顧客先に常駐させる「客先常駐」というものが主流となっています。

現状のIT業界では当たり前のようになっている働き方ですが、おおむね労働環境がよろしくないこと、顧客先で仕事をするために常に気を使った作業をしなければならないこと、中小企業で働くつもりがいつの間にか大企業に配属されていたりすること、仕事内容が運次第であることなど、多数の問題点があります。

社内ですべて受託開発できる環境であれば問題ないのですが、そうでない場合は社内では基本的に開発業務をすることがありません。社内で請け負うことがあっても、外部へ常駐することが一般的ということもあります。(かつて面接を受けた会社では自社開発が強みだと言っていたにもかかわらず、自社開発の比率は15%程度といったような扱いでした)

そのような場合、社内にいる間は仕事もないのに出社し、業務時間中虚無の時間を過ごします。しかしいずれは現場に常駐することになるため、その時がくるまで社内でひたすら、いつか現場に送り出されるその時を待つことになります。運良く社内案件に入れたとしても、次の案件では常駐という可能性も高いです。

一応は仕事という体であるからには、趣味の開発を勝手にやったりYouTubeやTwitterで遊んだりなんてことはとてもじゃないけどできません。もちろん、技術の勉強をするためにはこの上なく最適な時間ですが、会社の機材である以上好き勝手するのもためらってしまうでしょう。酷い場合だと「この技術ウチでは使わないのにそんなの勉強してどうする?」みたいなことを言われてしまう場合もあるかもしれません。

正直、この期間はトイレでスマホを見てサボるのが一番楽しいでしょう。笑

名ばかり研修?

このような企業の多くは、入社説明なんかで「充実した研修!」などとうたっていることが多いですが、実際のところ研修とは名ばかりでただ放置されるケースもあるようです。

その場合、入社してから仕事もなく、客先に送り出される時まで社内でひたすら待機ということになるかもしれません。大学や専門学校の同級生が研修を終えてバリバリ働き始める頃もまだ社内で待機、なんてことになっている場合、彼らとの差がどんどん広がり、勝手な劣等感を抱いてしまうようなこともあります。

僕のいた会社では、突然研修スケジュールが変わったり外部セミナーが多かったりと今思えば放置気味ではありましたが、研修課題や講義はある程度しっかりと実施はしていたので、ネットで散々言われているものよりは遥かにマシだったと思います…

偽装請負が当たり前のように行われている

その客先常駐において、当たり前のように行われている違法行為が偽装請負です。

本来、請負という形式では顧客から制作の依頼を受け、受注者側が業務を管理することになるのですが、客先常駐では労働者が直接顧客に指揮命令をされることがあります。

これは本来であれば労働力を提供するという条件の派遣契約で行うべきことであり、請負契約で顧客が労働者を直接管理することは違法行為にあたります。作業内容の直接指示どころか、見た目や勤務態度、出勤時間まで厳しく管理される可能性もあります。

また、派遣契約の場合には、中抜き業者を含めた多重派遣や、現場での労働の可否を直接決める事前面接は法律で禁止されています。

請負契約であれば多重下請けが必ずしも違法であるとは限りませんが、実態が派遣であるにもかかわらず平然と多重派遣のようなことを行う場合も多々あります。

参考リンク(外部)

請負契約とは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
準委任契約とは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典

違法面接を行う

多くの場合、派遣で働こうとすると顧客との事前の打ち合わせや現場見学などを含めた面談を行うことにます。

一見問題ないように思われますが、実はこれは職業安定法および労働者派遣法によって禁止されており、立派な違法行為となります。

この何が問題かというと、労働者の特定を行うことを目的とする行為が行われること、およびそれによる労働者供給事業という違反行為に該当する恐れがあることです。

派遣を要求する企業は本来入ってくる人間を選ぶことはできません。雇用関係ではないにもかかわらず実質的には雇用にあたり、派遣先は雇用における義務を放棄し、労働者は権利を剥奪された状態で義務を果たさなければならないような状態となってしまいます。

派遣先が要求する人物像を派遣会社に要求し、それ以降は派遣元が連れてきた人間を受け入れるのが正しいあり方となります。能力が足りないからだとか女性がいいだとかなんか気に食わないだとかで不当に現場から追い出すようなことをしてはいけません。

場合によっては「35歳未満で元気な方」「容姿端麗な女性」など、悪意があるかのような条件を指定してくるような企業もあります。

このIT業界特有の働き方では、客先常駐だのSESだのと綺麗な言葉を並べることによって誤魔化されようとしていますが、実態は派遣であるため、不当な違法派遣にあたる可能性が非常に高くなります。

事前面接で不合格が続いたり不当な理由で現場を追い出されたりすると仕事自体を失うことになるため、自身のモチベーションも下がり、会社には荷物のように見られ、以降も不安な日々を送り続けることになります。

知らない会社が何件も挟まってくる

上述のように、自社と客先の間に知らない会社が何社も挟まってくる場合があります。

それによって、連絡事項が伝言ゲームのように伝わらなくなってしまったり、不当な中間搾取を受けたりすることになってしまいます。そして、上述の違法面接を中間会社ごとに何度も受ける場合もあります。

正当な状態での下請けならまだしも、請負契約であっても実態が派遣である場合、多重派遣にあたる違法行為となります。例えば、発注者が単価100万円でA社に発注し、A社がB社に80万円で横流しにし、B社がさらにC社に50万円で横流しにし、C社の労働者は20万円しか得ることができず、なおかつ発注者の指揮命令を直接受けて労働する、といったことが起きています。

スムーズに業務を進めるためには謎の中間会社を排除して直接やりとりできるようにするべきですが、会社側は仁義だとか信頼だとかいった理由でそれを認めようとしません。

労働者側に労働条件や契約内容自体がわからない場合がある

恐ろしいことに、労働者はどういう条件で入ることになるのか、契約内容がどうなっているのか、そういったことがわからないまま配属されることがあります。

正しく配属されるのであれば現場の説明を打ち合わせよりも前にしっかりと受けて、書類などに目を通したうえで現場に入ることになるはずですが、どういう現場に入ることになるのか、条件や契約内容はどうなるのかといったことははぐらかされてしまう場合もあります。

このような場合では労働者に不安が募るうえ、実は合法なのか本当に違法なのかすらもわかりません。(わざわざ隠してくるからには十中八九アウトだとは思いますが…)

改めてこうやって書き起こしてみると、わざわざ独立系中小企業の正社員なんかになるより派遣やパートにでもなったほうがまだマシに思えてきます…

スキルを積めない案件ばかり

残念ながら、エンジニアとして採用されたにもかかわらず、エンジニアらしい案件に入れないことも多々あります。

プログラミング自体が未経験だというならまだしも、学生時代にプログラミング言語を多数習得したり自分でアプリをリリースしたりするような人ですら、職場では開発に携われない場合があります。開発案件に入れるかどうかも運(会社の気まぐれ)次第です。

そのような場合Excelをひたすらポチポチしたりドキュメントをひたすらまとめたり、運が悪いとシュレッダー係やヘルプデスクなど、開発はおろかITという概念からもかけ離れたような案件に入ることになってしまう場合もあります。

真偽は不明ですが、ITエンジニアとして入社したにもかかわらず、ライン工や警備員、挙句の果てには原発作業員なんて仕事をすることもあるらしいです…

「まだ経験が少ないから開発案件には入れられない」「2年目以上でないと入れない」などといって誤魔化されてしまうこともあります。

新人の下積みの雑用として考えると、料理人の皿洗いやテニスの球拾いなどと比べても経験にならない気がします。

一体、1年間シュレッダーや電話応対をひたすらやっていたら2年目にはプログラムを書けるようになっているというのでしょうか…?

結局、作業員をいかに売るかの商売


結局、この手の企業がやっていることは、作業員をいかにして売り飛ばすかの商売です。

労働者に高い単価をつけ、稼働時間で割り出し、そこから生まれるマージンを搾取することによって経営が成り立ちます。

所属する会社への帰属意識も生まれず、自分がどこにいて何のために働いているのかもわからなくなることがあります。

客先との待遇の差で苦しむようなことも少なくありません。

新卒がいきなり1人で売り出されることも

困ったことに、このような企業では新人を1人で売り飛ばすこともあります。

そのような場合誰が教育するのでしょうか?客先に押し付けるのでしょうか?

新人からすれば、自社の知っている人が誰もいないような環境に望まずして変わり、誰かもわからないような客先の方に教えてもらいながらやるのはあまりにも厳しいことではないでしょうか。

また、単独での常駐となる場合、請負形式における責任者が作業者を兼任するような形式になってしまいます。これは発注者が作業者に直接指揮命令を出すような実態となってしまうため違法な状態です。ましてや新人の場合、1人で作業をするだけの能力があるわけもありませんから、尚更不適切な状態であるといえます。

参考リンク(外部)

請負と準委任契約で、1人で客先常駐する案件は、100%確実に違法です。

エンジニアの経歴を詐称して売り飛ばすことも

そして最も恐ろしいこととして、エンジニアの経歴を詐称して売り飛ばすことすらあるということを伝えなければなりません。

就活生も嘘を重ねることで内定を獲得することも少なくありませんが、皆さんが就活でついてきた嘘もびっくりのとんでもない詐称をさせられることがあります。もちろん会社の指示で。

プログラミングができないのにできると言い張らされるくらいならまだしも、年齢や卒業年度、学歴、資格などを改ざんされたり、架空の案件にいたことにされていたりすることもあります。誰がどう考えても100%アウトなやつですよね。

皮肉った言い方ですが、能力の詐称はまだしも、年齢や学歴などの詐称なんてのは事前面接に来たエンジニアの名前を検索すれば、現代のIT技術ならばわかるんじゃないですかね…?

このようなことが2017年の時点でも平然と行われているのが今でも信じられません。

そして、経歴を詐称したからといって経験を積める案件に入れる可能性があがったり給料があがったりするのかというとその可能性は限りなく低く、顧客は優秀なエンジニアだと思いこんで多額の金を支払い、会社は詐称した経歴相応のマージンを確保でき、労働者には元の経歴相応の給与だけを支払えばいいのです。

顧客には詐称された経歴相応の活躍を期待され、エンジニアは能力が足りないにもかかわらずそれ相応の動きを元の経歴相応の対価で要求され、会社にメリットがあっても労働者には一切メリットがありません。ましてや、このような形で炎上プロジェクトに投入されても力になれないどころか、火に油を注ぐのもいいところです。

僕もかつては、就活では嘘をつきまくり、勉強も開発もろくにしてこなかったブラック求職者だったため、当時はその代償を受け入れる姿勢でした。しかし、IT業界における現実を知ってからはこれではいけないと思い、考えを改めています。

幸いにも僕は詐称の強要は免れることができましたが、僕が就活でついてきた嘘よりも遥かに酷いものを強要されていた同期も多数いました。詐称がバレたのに現場に居続けることができた人もいたので、やはりこういうことが多々起こっているのは顧客も薄々わかっているのかもしれません。

入社前の対策方法

このような企業に入ってしまうと、エンジニアとしてのキャリアを積めないどころか、いずれ詰んでしまう可能性が高いため、入社前にできる対処法を考えてみましょう。

以下の場合は気をつけろ!

概ねネット上で話題になるものばかりですが、以下の場合は要注意です。

  • 面接1回のみ、しかもその場で内定が出た
  • 筆記や実技、ソースコードなどの評価試験がない
  • みなし残業が表示上の給料に含まれている
  • 勤務先が「東京23区およびその周辺」
  • 「プロジェクトによる」「客先による」などの表現がある
  • SES、アウトソーシングなどの単語が出てきた
  • 取引先が同業者ばかり
  • 会社のホームページのデザインがダサい
  • 飲み会や社内行事の写真が豊富なのに仕事風景の写真が少ない

初対面でいきなりその場で内定の場合、「とにかく人数がいればいい」ような状態だと考えられます。また、「23区およびその周辺」「プロジェクトによる」などの表現が掲載されていたり、取引先が同業者ばかりだったりする場合、客先常駐・SESが前提である可能性が非常に高いことが考えられます。採用試験において実技の部分がなかったり、会社のホームページが妙にダサいような場合、エンジニアの技術を軽視しているような可能性も考えられます。

そして、みなし残業や諸手当が表示上の給料に含まれているような場合は見た目の給料を大きくしています。基本給がとても安いのに謎の手当で大きく額を盛っていると考えて良いでしょう。場合によっては入社のその瞬間まで教えてくれないこともあるので、必ずチェックしましょう。

面接時には必ず、表示上の給料のうちに手当がどれだけ含まれているか、実態の残業時間はどうなっているのか、社内開発と派遣・常駐の実態がどうなっているか、といったことを必ず確認しましょう。このようなことをチェックしたが故に採用を断られてしまったのならその程度の企業だということです。

業界の現状を知ろう

このように、IT業界には、我々がかつて想像していた以上に深い闇が広がっています。

あなたがもし、ITエンジニアになりたいのであれば、業界の現状を知り、このような企業を避けるようにしてください。

現在の社会においては、優秀なエンジニアが不足しているような状況です。優秀なエンジニアになって業界で活躍できる人材になりたいと考えているのであれば、このような企業を避け、安定した環境で働くことができ、開発経験をしっかり積むことができる、そんな企業を目指してください。

真っ当な環境で働きたいならそれ相応の努力をしろ

あなたがもし真っ当な環境で働きたいと考えているのであれば、それ相応の努力をしなければなりません。

特に何の勉強もしてこないでエンジニアになりたいと言った労働者を、本当に優秀なエンジニアを求めている企業が必要とするでしょうか?能力や経験の不足をやる気や根性でカバーしようとしていないでしょうか?

もし何の勉強もせずにいきなり優秀な企業に入ろうと思っても間違いなく能力が足りないため入れません。仮に何かの間違いで入れたとしてもすぐについていけなくなるでしょう。

そして、能力や経験の不足をやる気や根性で無理矢理カバーしようとしようものなら、稼働時間と要員さえいればいいブラック企業の格好の餌となるため、あなたがもし自殺志願者でもない限りは絶対にそのような手段をとってはいけません。

大切なのは能力を上げるための日々の努力です。なんらかのアプリを作ってみたり、それを公開したり、アルゴリズムを考えてみたり、また資格の勉強をしたり、できることは多々あるはずです。

まとめ

IT業界に起こっている恐ろしいことがわかっていただけたでしょうか?

このようなことがまかり通っている現状では、これらのことを知っておかないとITエンジニアとして働くことも難しくなってきます。

僕はもうITエンジニアの世界には戻らないし戻れないし戻りたくもありませんが、これからITエンジニアになりたいと考えている皆様には、この現実を理解していただき、少しでもいい環境で少しでも優秀なエンジニアに成長してほしいと考えています。皆様には僕みたいにはならないでほしいですから。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

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